夏真っ盛り。甲子園出場の代表校も、残すは宮城大会の結果を待つのみとなった。８月。高校球児の季節がやってくる。
一方で、プロ野球のシーズンは終盤戦に入る。今では大人びた表情の選手たちだが、もちろん、誰にも甲子園を目指している頃があった。ヤクルト・由規投手（２７）もその一人である。
右腕は聖地で鮮烈な印象を残した。仙台育英（宮城）では、２年夏から３季連続で甲子園に出場。宮城大会決勝で東北との引き分け再試合の激闘を制した２年夏。３年春のセンバツは直前の練習試合で死球を受けて左手を骨折した中での出場。だが、中でも３年夏の甲子園の衝撃は今も色あせていない。
０７年夏。甲子園の２回戦、智弁学園高（奈良）戦だった。４回。掲示板には「１５５」というスピードが表示された。高校野球では同球場史上最速の数字だった。試合は２―５で敗れたが、大観衆のどよめきは収まらなかった。
しかし、ここまでの成長は本人すら予想できていなかった。右腕は最速１３０キロ程度だった入学当初を振り返り、「投手なんてやっていると思っていなかったですから。１年の時は三塁手でしたし。最初は投手で入ったんですけど、周りがすごすぎて自信がなかったので。すぐに諦めて」と笑った。
由規は努力に努力を重ねた。野球選手としては決して大柄とはいえない体格から、いかにして１５０キロ超の直球を投げ込めるようになったのか。答えはシンプルだった。「もう、ひたすら投げ込み。毎日ずっと投げていました」と言った。当時の練習内容はこうだ。
「投げ込みは１日１００球の時もあれば、２００球くらいの時もあるし、５０球くらいで終わりの時もある。でも、必ずブルペンには入っていました。それでつかんでいった感じ。全体メニューはみんなでランニングをしますけど、その他の練習はもうピッチングばっかり。常に打者に立ってもらっていました。元々心配性なので、練習もやっていないと気持ち悪いし、だから毎日のように投げていたというのも、肩の感覚がなくなる怖さがあったから投げていたんですよね。だから逆に（仙台育英・佐々木順一朗）監督からは『休みをまず作れ』と。『休みをまず決めて、その中でピッチングの計画も立てろ』とずっと言われていました」
性格はプロになってからも変わらない。プロで実績を残し、昨季は１７７１日ぶりに右肩手術から復活を果たした。それでも、練習に工夫を加える姿は高校の時と同じである。
「不安はあります。だから、１つのメニューでも例えば、２０～３０回と決められた回数があったとしたら、３１回やっておこうとか、数多くやることで、その積み重ねでそれが『お守り』になっていく。（高校時代から）そういうのをすごい意識してやっていたかな」
しかし、華々しい記録の裏には葛藤もあった。２年生の夏。甲子園デビューとなった徳島商戦で１１奪三振の快投。その名は全国に知れ渡った。新チーム発足後、由規のプレッシャーとの闘いが始まった。
「周りの目は気にしてやっていた気がしますね。抑えて当たり前みたいなくらいの感じだったので。何かそれ（重圧）と闘っていたような感じがします。だけど、新チームになってから公式戦でボコボコに打たれたんですよ。そこで、監督に『１人でやってんじゃない』って言われて。責任感もあったので、打たれちゃいけないというのもあったし、引っ張らないとな、みたいに思っていた。特に新チームになって最初の頃はいまいち試合に集中できていなかった気がします。今だから言えますけど、（２年夏の甲子園以降は）燃え尽き症候群というか、不安しかなかったですね。甲子園に出て、自分が上級生になって、同じようにできるのかなって」
野球に対して「怖さ」があった。だからこそ、人一倍練習した。“みちのくの怪腕”はこうして生まれたのだった。もちろん、自分が打たれた試合で味方打線がカバーしてくれたことも大きい。チームメートがふがいない自分を救ってくれたお陰で、次第に自らの投球を取り戻していったのだった。そして、最後に自信を持てたのは絶対的な練習量でもあった。
これから始まる、１７年夏の甲子園。中６日で先発ローテを守る「完全復活」を目指す背番号１１が、高校球児へエールを送った。「やるのは自分だし、逃げるのも自分。何をするにしても、覚悟を決めるのも自分です。だからとにかく、自分を信じてやることが大事だと思う」。全国の“後輩”に語りかけるとともに、自らにも言い聞かせるように力強く言葉をつないだ。
😁オ😉レ😜コ😝メ✏
由規は完全復活したわけじゃない見たいで昔は160舛旅訛球をバンバン投げてたけど今は普通に140繊152舛鯤振僂播蠅欧討泙垢やはり160舛鮓たいですね(笑)