２０１４年の秋。２１日に亡くなった歌手で作曲家の平尾昌晃さん（享年７９）が、「まだオフレコだからね」と前置きした上で、都内の事務所である計画を明かしてくれた。
「オートレースの新しいテーマソングを作って、ＳＭＡＰの森（且行）君を中心に、選手のオールスターで歌ってもらおうと思ってるんだ。僕がジャニー（喜多川）さんに直談判して、ジャニーさんのＯＫはもらったんだよ」。平尾さんはひそかに、９６年にオートレース選手に転身した森の“歌手復帰”プランを練っていた。
同年８月に千葉・船橋オートの廃止が決定したばかりだった。長年、オートレースファンの顔として、業界の発展にも協力してきた平尾さんは、この時もオートレースを盛り上げようと、自ら動いていた。ＳＭＡＰ解散騒動の前のことだが、実現すればかなり話題になるだろうと期待していた。
今年２月、平尾さんがプロデュースし、川口オートのテーマ曲になっている「ぶっちぎりの青春」のリメイク版「ぶっちぎりの青春☆ＮＯＷ」が発売された。現役選手４人がバックコーラスに参加したが、森の名前はなかった。理由は分からないが、森の歌手復帰はかなわかった。それでも、ジャニー喜多川社長に自ら声をかける平尾さんの行動力にとても驚かされた。
１２～１５年、自社主催のイベントを運営する事業部に所属し、プロ野球選手の社会貢献を表彰する「ゴールデンスピリット賞」を担当していた。平尾さんは同賞の審査員を務めていたので、毎年、表彰の時期に事務所にあいさつに行っていた。
１５分程度のつもりで行くのだが、平尾さんが事務所にいると「ちょっと甘い物でも食べて行きなよ」となり、大好きな巨人の話はもちろん、オートレースや自身の音楽活動などの話で、毎回１時間を超えた。事務所を出ると上司と「今年も長くなっちゃったね～」と顔を合わせていたが、話が面白くて、内心、とても楽しみだった。
「ゴールデンスピリット賞」の表彰式では、平尾さんが受賞者に公開インタビューをするのが恒例だった。１２年にはメジャー宣言をした藤川球児、１５年には千葉ロッテからＦＡ宣言したばかりの今江敏晃が受賞。ともに移籍先が注目されていたが、平尾さんならではの人なつっこい笑顔で「で、どんな感じなの？」とズバっと切り込むなど、同賞の名物となっていた。あのサービス満点のトークがもう聞けないのは、やはり寂しい限りだ。記者 Bloggers
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俺の聞いた話だとオートレースの新しいテーマソングを作って、ＳＭＡＰの森（且行）君を中心に、選手のオールスターで歌ってもらおうと思ってるんだ。僕がジャニー（喜多川）さんに直談判して、ジャニーさんのＯＫはもらったんだよ」とは言ってたんだ。
聞いた話だと平尾昌晃氏の提案はスゴいなって思った。