↑「タイガーマスクW」テレビ朝日にて毎週土曜深夜2時30分ほかテレビ朝日系列全24局で放送(C)梶原一騎・辻なおき/講談社・テレビ朝日・東映アニメーション
昭和の時代はゴールデンタイムに複数の団体が放送されたこともあったプロレス中継だが、現在、地上波で放送されているのは、テレビ朝日系・土曜深夜2時の「ワールドプロレスリング」(新日本プロレス)だけ。黎明期の日本テレビ「日本プロレス中継」から“金曜夜8時のプロレス中継”という伝統を引き継いだ看板番組も、今や30分枠だ。
しかし、この土曜深夜枠は、今年からプロレスの黄金タイムになっているのだ。0時5分からAKB48グループのアイドルが女子高生プロレスラー役になって熱戦を演じるドラマ「豆腐プロレス」、2時30分からは梶原一騎の“不朽の名作”を現代風にアレンジしたアニメ「タイガーマスクW」がそれぞれ30分枠で放送されている。
その2番組もいよいよ大詰めのクライマックス。24日深夜に放送される「豆腐プロレス」第23ラウンドは、「WIP最強クイーン決定トーナメント OVER THE TOP」の決勝戦として、ハリウッドJURINA(松井珠理奈)=白金ジム=とチェリー宮脇(宮脇咲良)=錦糸町道場=が激突する。17日に行われた「第9回AKB48選抜総選挙」で3位と4位に輝いた“メインイベンター”同士のキャスティングだ。
2人は今年1月4日の新日本プロレス・東京ドーム大会に視察に来ていたし、ハリウッドJURINAは、3月に同局系で放送された「史上初!現役・OBレスラー200人&ファン1万人が選ぶプロレス総選挙」にゲスト出演し、昭和プロレスにも触れている。17日深夜に放送されたトーナメント準決勝でユンボ島田(島田晴香)に勝ったJURINAのセリフ「嘘も本当も全部飲み込んだ私がプロレスなんだよ」は名言だった。
そしてアニメの「タイガーマスクW」。24日深夜放送の第37話は「さらば虎よ」のタイトルでファイナル・ウォーズのエクストラマッチとして、タイガーマスク(東ナオト)=新日本プロレス=とザ・サード(タイガー・ザ・グレート)=GWM=の決着戦となる。
アニメにはIWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカ(29)、IWGPインターコンチネンタル王者・棚橋弘至(40)ら新日本プロレスの選手が実名で登場。昭和の旧作にはジャイアント馬場やアントニオ猪木も登場していたが、「虎の穴」との抗争には絡まなかった。それが、Wでは棚橋がマスクマンのイッツザエースに変身するなど、絡み放題。永田裕志(49)がフロント兼務の“社長レスラー風”な役回りで登場しているのが、面白く、喜ばしくもある。
そして、アニメが始まった昨年10月に、新日本プロレスのリングに実物のタイガーマスクWがスポット参戦し、メディアミックスとなっている。その“実物”の動きが華麗すぎて、オカダと新日本旗揚げ記念日(3月6日・大田区総合体育館)にメインイベントで一騎打ちするほどの存在になった。そして今回の第37話には、“あの”飯伏幸太(35)が実名で登場。本人が声優も務めるというから、複合きわまりない。
さて、肝心の「ワールドプロレスリング」はと言うと、17日深夜放送回では、オカダとケニー・オメガが60分フルタイム戦ったIWGPヘビー級選手権(11日・大阪城ホール)が流されたが、30分で収まるはずもなく、ダイジェストだった。
そこが問題なのではなく、CS放送のテレ朝チャンネルでは、当日に完全生中継されており、完全版として後日に放送される。プロ野球中継と同じく、試合はCSでの完全中継が主流になっており、地上波では“あおり映像”やバックステージでのインタビューなど、エンタメ性が重視されている。そんな住み分けができているからこそ、「豆腐プロレス」も「タイガーマスクW」もプロレスファンにすんなり受け入れられたのだろう。
テレビ朝日宣伝部によると「ともに7月1日が最終回となります」とのこと。“ロス”現象が起きるかもしれないが、この2番組によって、「ワールドプロレスリング」に導かれた新たな視聴者が多くいることを願いたい。(酒井 隆之)
昭和の時代はゴールデンタイムに複数の団体が放送されたこともあったプロレス中継だが、現在、地上波で放送されているのは、テレビ朝日系・土曜深夜2時の「ワールドプロレスリング」(新日本プロレス)だけ。黎明期の日本テレビ「日本プロレス中継」から“金曜夜8時のプロレス中継”という伝統を引き継いだ看板番組も、今や30分枠だ。
しかし、この土曜深夜枠は、今年からプロレスの黄金タイムになっているのだ。0時5分からAKB48グループのアイドルが女子高生プロレスラー役になって熱戦を演じるドラマ「豆腐プロレス」、2時30分からは梶原一騎の“不朽の名作”を現代風にアレンジしたアニメ「タイガーマスクW」がそれぞれ30分枠で放送されている。
その2番組もいよいよ大詰めのクライマックス。24日深夜に放送される「豆腐プロレス」第23ラウンドは、「WIP最強クイーン決定トーナメント OVER THE TOP」の決勝戦として、ハリウッドJURINA(松井珠理奈)=白金ジム=とチェリー宮脇(宮脇咲良)=錦糸町道場=が激突する。17日に行われた「第9回AKB48選抜総選挙」で3位と4位に輝いた“メインイベンター”同士のキャスティングだ。
2人は今年1月4日の新日本プロレス・東京ドーム大会に視察に来ていたし、ハリウッドJURINAは、3月に同局系で放送された「史上初!現役・OBレスラー200人&ファン1万人が選ぶプロレス総選挙」にゲスト出演し、昭和プロレスにも触れている。17日深夜に放送されたトーナメント準決勝でユンボ島田(島田晴香)に勝ったJURINAのセリフ「嘘も本当も全部飲み込んだ私がプロレスなんだよ」は名言だった。
そしてアニメの「タイガーマスクW」。24日深夜放送の第37話は「さらば虎よ」のタイトルでファイナル・ウォーズのエクストラマッチとして、タイガーマスク(東ナオト)=新日本プロレス=とザ・サード(タイガー・ザ・グレート)=GWM=の決着戦となる。
アニメにはIWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカ(29)、IWGPインターコンチネンタル王者・棚橋弘至(40)ら新日本プロレスの選手が実名で登場。昭和の旧作にはジャイアント馬場やアントニオ猪木も登場していたが、「虎の穴」との抗争には絡まなかった。それが、Wでは棚橋がマスクマンのイッツザエースに変身するなど、絡み放題。永田裕志(49)がフロント兼務の“社長レスラー風”な役回りで登場しているのが、面白く、喜ばしくもある。
そして、アニメが始まった昨年10月に、新日本プロレスのリングに実物のタイガーマスクWがスポット参戦し、メディアミックスとなっている。その“実物”の動きが華麗すぎて、オカダと新日本旗揚げ記念日(3月6日・大田区総合体育館)にメインイベントで一騎打ちするほどの存在になった。そして今回の第37話には、“あの”飯伏幸太(35)が実名で登場。本人が声優も務めるというから、複合きわまりない。
さて、肝心の「ワールドプロレスリング」はと言うと、17日深夜放送回では、オカダとケニー・オメガが60分フルタイム戦ったIWGPヘビー級選手権(11日・大阪城ホール)が流されたが、30分で収まるはずもなく、ダイジェストだった。
そこが問題なのではなく、CS放送のテレ朝チャンネルでは、当日に完全生中継されており、完全版として後日に放送される。プロ野球中継と同じく、試合はCSでの完全中継が主流になっており、地上波では“あおり映像”やバックステージでのインタビューなど、エンタメ性が重視されている。そんな住み分けができているからこそ、「豆腐プロレス」も「タイガーマスクW」もプロレスファンにすんなり受け入れられたのだろう。
テレビ朝日宣伝部によると「ともに7月1日が最終回となります」とのこと。“ロス”現象が起きるかもしれないが、この2番組によって、「ワールドプロレスリング」に導かれた新たな視聴者が多くいることを願いたい。(酒井 隆之)