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“猪木騒動”をどう風車に変えるかIGF…金曜8時のプロレスコラム

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↑NEWを盛り上げる船木誠勝(左)と青木真也

 アントニオ猪木参院議員(74)が創設したプロレス団体IGFが揺れ動いている。猪木氏の娘婿でもあるIGFのサイモン・ケリー・猪木取締役(43)が6日に都内のIGF事務所で記者会見を開き「猪木さん目を覚ましてください」と異例の呼びかけを行ったのだ。

 IGFは10周年を機に、いつまでも猪木氏に頼らない新ブランド「NEW」を4月に旗揚げ。今月2日に、第2シリーズ開幕戦が後楽園ホールで行われたが、猪木氏は同日に公式ツイッターで「今のIGFには理念が無い。カネが絡むと、どうして人間はこうなってしまうのか。IGFからは、とっくに手をひいている。俺の名前を勝手に語るな。NEWは勝手にやればいい」とつぶやいた。

 一連の波乱に、プロレス流のアングル(話題作り)と思う向きも多いが、どうやらそうではなさそうだ。猪木氏は5月25日に都内で会見を開き、7月24日に後楽園ホールでIGFとは違う格闘技イベント「ISM」を開催することを発表。猪木氏の師匠、カール・ゴッチ氏の没後10周年、猪木氏と格闘技世界一決定戦を戦ったムハマド・アリ氏の没後1周年を記念する大会で、この席で猪木氏は「IGFは整理する」とコメント。IGFからISMに乗り換えたのだった。

 今年2月に開かれた、猪木氏の74歳の誕生パーティーでも、主催社が報道陣に配布した文書でも「IGFを主宰するアントニオ猪木」という表現をしないようにとのお達しがあり、何かおかしいなとは思っていた。後援者のパワーバランスもあるようだ。記者としては、どちらに味方をするつもりもない。できることは、リングを見て、お客さんの反応を客観的に見比べることだろう。

 IGFの可能性は2日のNEWセミファイナルにあった。総合格闘技DREAM元ライト級王者の青木真也(34)と元キング・オブ・パンクラシストの船木誠勝(48)が対戦し、青木が6分19秒、フットチョークで船木からギブアップを奪った。昨年までONE FC王者だった青木に対して、船木もパンクラス時代のようなグラウンド技を見せ、ヘビー級のローキックで青木を吹っ飛ばすなど、総合の緊迫感を加味したプロレスを見せた。

 船木は「このリングは何でもありなんで、こんな格闘技みたいなプロレスもあってもいいんじゃないですか。青木選手に新しい刺激をもらいました。間違いなく猪木イズムはここにあります。それは断言できます」と自信たっぷりに言った。青木は船木について「積み重ねた歴史に裏打ちされた説得力がありました」と猪木イズムを感じたようで、今後については「ISMと股に掛けて活躍しますよ。(ISMとIGFは)仲が良いって聞いてますから。お誘いをお待ちしております」と騒動を皮肉るように言った。

 猪木イズムには「風車の理論」というのがある。相手の力を利用してエネルギーを生み出す風車のように、逆風を追い風に変える処世術だ。猪木イズムを語れる船木と、IGFとISMを「股に掛ける」と言ってのける青木をどう活用できるか。今後のマッチメークに期待したい。

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