↑第52回上方漫才大賞を受賞した海原やすよ・ともこ
姉妹漫才コンビの海原やすよ・ともこが「第52回上方漫才大賞」を受賞した。2012年以来2度目で、2度の受賞は女性コンビとしては初の快挙だ。
結成25年目。関西を拠点に活動しており、全国的にはなじみは薄いかもしれないが、ネタのおもしろさは抜群。大阪のおばちゃんの変な生態や、大阪と東京の違いなど、鋭い観察眼をもとに、おもしろおかしくまくしたてる、正統派のしゃべくり漫才。祖母は「海原お浜・小浜」の小浜、父も池乃めだかとコンビを組んだ「海原かける・めぐる」の海原かけるで、親子3代の漫才一家だ。
世間でよくいわれる「女芸人」という言葉が嫌いで、「漫才師」の肩書きにこだわるのも、サラブレッドである2人らしいところだろう。「THE MANZAI 2015」に出演した際、最高顧問のビートたけしが絶賛したという話もうなずける。
先日、2人を初めて取材して、ちょっと拍子抜けした。もちろん、いい意味で。姉・ともこ(45)だけでなく、標準体型だった妹・やすよ(41)も大きくなってしまい、見た目はすっかり「大阪のオバチャン」に熟成されつつある。取材でもその調子でガーッとくるのかと身構えていたら、とても礼儀正しい、感じのいい人たちだった。
写真撮影の際、舞台上の照明が暗かったこともあり何枚もシャッターを切る報道陣に、ともこは「1枚でもマシに撮れてるやつがありますように。本当にすみません。2人とも笑うの苦手で、引きつってるでしょ」と返した。ある現場で某人気俳優に「どうせ1枚しか使わねえんだろ」とあからさまに嫌な顔をされたことを思い出した(確かにその通りだけど…)。
昨年末、やすよが脳動脈瘤(りゅう)の手術を受け、約2か月間休養した・舞台復帰にあたり、関西でこれだけ人気のあるコンビなら、マスコミを入れて復活を大きくアピールしてもいいものだが、取材はなかった。その当時のことを振り返り「1週間でも休むと怖い。だから2か月も離れてちゃんと漫才できるか怖かったので、(舞台復帰は)私らからお願いしてひっそりとやらせてもらいました」とやすよ。「だって、もし舞台でアカンかったら、皆さんに『アカンかった』って書かれるでしょ」と、ともこも笑った。
プロとしてのプライドもあるだろう。これほどのキャリアがあってもそういうものか、と思うと同時に、「怖い」という感覚が、この2人を支えているのかもしれないとも感じた。
なんばグランド花月(NGK)の新田敦生総支配人が言っていた。「やすともなんて、ずいぶん前から単独(ライブ)やれ、やれって言うてたのに、『NGKを自分たちだけで埋めるなんて無理! 怖い』って」。慎重であるがゆえに万全を期す。2人がNGKで初の単独ライブを開催したのは昨年10月。実績からすれば遅すぎる。858席を埋められないと怖がっていたが、ふたを開けてみればチケットは劇場の歴代5本の指に入るスピードで完売したという。女性漫才師は育たない、続かないと言われるが、この2人にはあてはまらないようだ。
姉妹漫才コンビの海原やすよ・ともこが「第52回上方漫才大賞」を受賞した。2012年以来2度目で、2度の受賞は女性コンビとしては初の快挙だ。
結成25年目。関西を拠点に活動しており、全国的にはなじみは薄いかもしれないが、ネタのおもしろさは抜群。大阪のおばちゃんの変な生態や、大阪と東京の違いなど、鋭い観察眼をもとに、おもしろおかしくまくしたてる、正統派のしゃべくり漫才。祖母は「海原お浜・小浜」の小浜、父も池乃めだかとコンビを組んだ「海原かける・めぐる」の海原かけるで、親子3代の漫才一家だ。
世間でよくいわれる「女芸人」という言葉が嫌いで、「漫才師」の肩書きにこだわるのも、サラブレッドである2人らしいところだろう。「THE MANZAI 2015」に出演した際、最高顧問のビートたけしが絶賛したという話もうなずける。
先日、2人を初めて取材して、ちょっと拍子抜けした。もちろん、いい意味で。姉・ともこ(45)だけでなく、標準体型だった妹・やすよ(41)も大きくなってしまい、見た目はすっかり「大阪のオバチャン」に熟成されつつある。取材でもその調子でガーッとくるのかと身構えていたら、とても礼儀正しい、感じのいい人たちだった。
写真撮影の際、舞台上の照明が暗かったこともあり何枚もシャッターを切る報道陣に、ともこは「1枚でもマシに撮れてるやつがありますように。本当にすみません。2人とも笑うの苦手で、引きつってるでしょ」と返した。ある現場で某人気俳優に「どうせ1枚しか使わねえんだろ」とあからさまに嫌な顔をされたことを思い出した(確かにその通りだけど…)。
昨年末、やすよが脳動脈瘤(りゅう)の手術を受け、約2か月間休養した・舞台復帰にあたり、関西でこれだけ人気のあるコンビなら、マスコミを入れて復活を大きくアピールしてもいいものだが、取材はなかった。その当時のことを振り返り「1週間でも休むと怖い。だから2か月も離れてちゃんと漫才できるか怖かったので、(舞台復帰は)私らからお願いしてひっそりとやらせてもらいました」とやすよ。「だって、もし舞台でアカンかったら、皆さんに『アカンかった』って書かれるでしょ」と、ともこも笑った。
プロとしてのプライドもあるだろう。これほどのキャリアがあってもそういうものか、と思うと同時に、「怖い」という感覚が、この2人を支えているのかもしれないとも感じた。
なんばグランド花月(NGK)の新田敦生総支配人が言っていた。「やすともなんて、ずいぶん前から単独(ライブ)やれ、やれって言うてたのに、『NGKを自分たちだけで埋めるなんて無理! 怖い』って」。慎重であるがゆえに万全を期す。2人がNGKで初の単独ライブを開催したのは昨年10月。実績からすれば遅すぎる。858席を埋められないと怖がっていたが、ふたを開けてみればチケットは劇場の歴代5本の指に入るスピードで完売したという。女性漫才師は育たない、続かないと言われるが、この2人にはあてはまらないようだ。