↑記者に疑問を投げかけた阪神・大和
15年近くプロ野球取材に携わっていても、自分の知識の乏しさに恥ずかしくなることがある。つい先日もそうだった。
開幕2戦目だった4月1日の広島―阪神戦(マツダ)。延長10回1死二、三塁から広島・安部のサヨナラヒットで試合は決した。だが、最後の場面で二塁を守っていた大和が一、二塁間の痛烈な打球に飛びつき、素早く本塁に投げ込んだ。結果はセーフだったが、コリジョン(衝突)ルールの適用前なら、際どいクロスプレーになったはずの惜しい守備だった。
翌2日の試合前に大和に声をかけると、意外な声を聞いた。
「アウトに出来たら、よかったんですけど、あれでいっぱいいっぱいのプレーでした。でも、あれがなんでヒットになるんですか? フィルダースチョイス(野選)かなと思ったんですけど…」
大和の言うように、一塁に投げていれば打者走者の安部はアウトになっていたタイミングだった。もちろんサヨナラの場面だけに、本塁以外に投げる選択肢はない。疑問に答えられなかったので、グラウンドを離れ、記者席に足を運んだ。NPBの公式記録員に確かめたのだ。
「大和選手のおっしゃることは分かりますが、三塁走者が生還した時点で試合が終わってしまうケースは野選にはならないんです。記録上はヒットになります」
ある関係者が説明してくれた。例えばサヨナラスクイズの場面で、本塁がセーフになっても、打者には内野安打が記録されるという。
早速、大和に事実を伝えると「そういうことなんですね。初めて知りました」と納得顔だった。余計なお世話かもしれないが、年俸の評価に響く査定面でも、「野選」よりは「安打」の方がポイントの減点もないはずだ。
毎年、100試合以上のゲームを観戦していると、マンネリを感じることも多い。駆けだし時代の方が、一つ一つのプレーに胸を躍らせていた。でも、選手たちが必死に白球を追う裏にはまだまだドラマや記録、ルール上の盲点が隠れている。
勝利には結びつかなかったが、そんな思いを引き起こさせてくれた大和のビッグプレーだった。
15年近くプロ野球取材に携わっていても、自分の知識の乏しさに恥ずかしくなることがある。つい先日もそうだった。
開幕2戦目だった4月1日の広島―阪神戦(マツダ)。延長10回1死二、三塁から広島・安部のサヨナラヒットで試合は決した。だが、最後の場面で二塁を守っていた大和が一、二塁間の痛烈な打球に飛びつき、素早く本塁に投げ込んだ。結果はセーフだったが、コリジョン(衝突)ルールの適用前なら、際どいクロスプレーになったはずの惜しい守備だった。
翌2日の試合前に大和に声をかけると、意外な声を聞いた。
「アウトに出来たら、よかったんですけど、あれでいっぱいいっぱいのプレーでした。でも、あれがなんでヒットになるんですか? フィルダースチョイス(野選)かなと思ったんですけど…」
大和の言うように、一塁に投げていれば打者走者の安部はアウトになっていたタイミングだった。もちろんサヨナラの場面だけに、本塁以外に投げる選択肢はない。疑問に答えられなかったので、グラウンドを離れ、記者席に足を運んだ。NPBの公式記録員に確かめたのだ。
「大和選手のおっしゃることは分かりますが、三塁走者が生還した時点で試合が終わってしまうケースは野選にはならないんです。記録上はヒットになります」
ある関係者が説明してくれた。例えばサヨナラスクイズの場面で、本塁がセーフになっても、打者には内野安打が記録されるという。
早速、大和に事実を伝えると「そういうことなんですね。初めて知りました」と納得顔だった。余計なお世話かもしれないが、年俸の評価に響く査定面でも、「野選」よりは「安打」の方がポイントの減点もないはずだ。
毎年、100試合以上のゲームを観戦していると、マンネリを感じることも多い。駆けだし時代の方が、一つ一つのプレーに胸を躍らせていた。でも、選手たちが必死に白球を追う裏にはまだまだドラマや記録、ルール上の盲点が隠れている。
勝利には結びつかなかったが、そんな思いを引き起こさせてくれた大和のビッグプレーだった。