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初優勝の履正社に見た、「野球大好き」女子のひたむきさ

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第18回全国高校女子硬式野球選抜大会で初優勝し、喜ぶ履正社ナイン(2日)

 履正社ナインは最後の打者を打ち取るとマウンドに集まり、抱き合って初優勝の喜びに浸った…。これ、女子野球の話。先日終わった甲子園・春のセンバツ高校野球で履正社が準優勝に終わった翌日、埼玉・加須市で行われていた高校女子野球選抜大会で、男子と変わらない「RISEI」のユニホームをまとった女子硬式野球部員が決勝で昨年の覇者・埼玉栄を破った。「男子より先に優勝しちゃいました」と、ナインは戸惑いながらも喜びを爆発させた。

 参加チームは18年の歴史で最多とはいえ、23の高校と連合チーム。4000校近くある男子とは比べものにならない。それでも、わずかずつながら毎年数を増やしており、履正社は創部3年目で頂点に立った。

 同校で(男子)野球部の岡田龍生監督(56)と同じ保健体育を教える橘田(きった)恵監督(34)は、「まずは1勝を目標に、元気よくプレーしようと。(優勝は)神が降臨した感じ」と、快進撃に目を細めた。

 女子野球の軟式を含めた人口は約2万人。小学生のうちは、体格が大きいことから女子のエースも珍しくないが、中学2年を境に男子の体格・パワーがともに逆転。その差はますます開き、最速でも120キロ台の女子は“共学”チームで活躍することが難しくなる。女子野球部を持つ高校や大学、クラブチームといった受け皿は発展途上で、多くの野球女子がバットやグラブを置いてしまう。

 しかし「パワーやスピードは男子にかなわないけれど、一生懸命という気持ちは勝る」と語るのは、かつて神戸弘陵を5度甲子園に導いた石原康司監督(56)。3年前に同校の女子硬式野球部創設とともに監督に就任。「野球が好き」という一心でボールを追う女子の情熱に名将も心打たれたという。

 同様に日本ハムや大洋(現DeNA)で投手としてプレーした木田勇氏(62)、南海(現ソフトバンク)や西武で活躍した片平晋作氏(67)も、彼女らのひたむきさに心動かされ、女子野球チームの監督となった(ともに現在は勇退)。「(長年プロでやってきても)知らない世界があった」という片平氏は、今でも時間があると練習に顔を出して40歳以上歳の離れた女子の技術向上に手を貸している。

 NHKで放送されたセンバツ大会の履正社の学校紹介で「40秒のうち7秒間、女子も出させてもらった。男子と比べちゃいけないが、彼女らの努力が伝われば」と、いつか陽の当たる日が来ることを期待する橘田監督。

 吉井温愛(はるえ)主将(3年)は、「校内でも(女子野球部は)あまり知られていないので、この優勝旗を持って帰れば、女子も男子のように(堂々と)報告できるかも。夏(の大会)は一緒に優勝できれば」と話す。甲子園を沸かせたドラフト候補・安田尚憲内野手(3年)らのクラスメートである彼女たちの野球がメジャーになる日はまだ遠いが、確実に前進している。

ちなみに今日は阪神タイガース対読売ジャイアンツの試合は雨天中止になりましたので読売ジャイアンツニュースはありません。

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