◆巨人６―２中日（３１日・東京ドーム）
プロ野球がセ・パ同時に開幕。巨人が中日に快勝して球団最長タイとなる５年連続の白星スタートを切った。７回２失点のマイコラスからマシソン、カミネロとつなぐ史上初の外国人リレーによる開幕戦勝利も決まった。
独特の緊張感を力に変える余裕があった。人生初めて開幕投手を務めたマイコラスが、ストライク先行で流れを引き寄せた。初回、先頭大島、２番荒木をともに初球から直球２球で追い込み、ゴロアウト。「今日は楽しもうと思った。アグレッシブな姿勢は今年のチーム全体のテーマだからね」。無失点で立ち上がり、直後の味方の先制劇を呼んだ。
３回までに４点の援護をもらい、ダイナミックに攻め続けた。最速１５０キロの直球と１１０キロ台のカーブの緩急も抜群。５回に味方のエラーなどで２失点したが「打ち取った打球が不運な結果になることもあれば、いい当たりが正面を突く。野球は不思議なスポーツだと思った」と冷静に対応。７回２失点（自責１）で、巨人の外国人では９９年ガルベス以来、１８年ぶり２人目の開幕投手勝利を挙げた。
モデルのような長い足。ユニホームの着こなしを重視する助っ人は、昨年までジャストサイズのズボンを着用した。今年は体形は同じだが、ワンサイズ大きく変更。「投げる時に膝がスムーズに上がる。少し余裕を持たせた方が、楽に投げられるかなと思った」。昨季４勝からの巻き返しへ、見た目より動きやすさを優先し、凡打の山を築いた。
ローレン夫人の出産に立ち会うため米国に一時帰国し、実戦は３月１６日のソフトバンク戦（ヤフオクＤ）以来、中１４日だった。間隔が空いたが、米国の地元の高校でブルペン入り。「仲間が手伝ってくれた」とむしろ初心を思い出せた。２０日に誕生した長女は「美しい名前を」と夫婦で考えリリアンちゃんと命名。気合満点で単身、再来日した。
ＷＢＣでフル回転した菅野に代わって大役を果たし、試合後は「小林が素晴らしかった」と女房役を絶賛。お立ち台でもらえるジャビット人形を抱きしめ「たくさん娘にあげたいね」とパパの顔になってフル回転を誓った。