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「なぜ大阪南部からプロ野球選手が続々と誕生するのか」

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↑堺中央ボーイズ出身のDeNA・筒香

 ドジャース・前田、巨人・小林誠、阪神・藤浪に、DeNA・筒香、西武・森。現在、国内外で活躍する彼らの共通点とは…。全員が関西出身。もちろんそうなのだが、彼らは中学時代に大阪南部の硬式少年野球、ボーイズリーグでプレーしていたのだ(筒香は和歌山出身だが、所属は堺中央ボーイズ)。

 その他にも大阪南部から現役、OBも含め多くのプロ野球選手が誕生している。では、なぜプロ選手が続々と出てくるのか。決して偶然ではないはずだが…。

 中学時代の小林誠、藤浪を指導した大阪泉北ボーイズの下埜昌志監督にその疑問をぶつけてみた。すると返ってきた答えは「理由は特にないですよ。土地柄ですよ」だった。拍子抜けしてしまいそうな答えだが、この「土地柄」という言葉にこそヒントがあった。

 下埜監督は「南部には野球が好きな子供が多くて、野球人口が多い。だから、その中からいい子が出てくるんだと思いますよ」と競技人口の多さを挙げる。さらに、「指導者も保護者も熱心なんですよ。地域の野球熱が高い」と、親世代が野球に熱心なことも影響しているようだ。

 そして、子供たちが野球を始めやすい環境も大阪南部にはある。中学生のボーイズリーグのチーム数は大阪府内全体で75。うち大阪南部(南支部、阪南支部)に32チームが集中している。京都府は15チーム、兵庫県が27チームだから、いかにこの地域に多いかが分かる。多くの人が硬式で野球を本格的に始めるのは中学時代。その中学生たちの受け入れ先が多いから、自然と競技の人口は増えていく。

 当然、野球人口が多ければ、いい選手が出る可能性も高い。いい選手同士が試合をすれば、自然とレベルが上がっていく。そんな好循環が生まれている。藤浪は、中学3年の時に森にサヨナラ打を浴び全国大会出場を逃したのだが、後のプロ野球選手が、中学時代から対戦しているのも面白い。

 さらに、指導者の経験値が豊富なのも要因だろう。下埜監督は、ダルビッシュ(羽曳野ボーイズ)が中学時代、日本代表に選出された際にコーチを務めている。また、大阪泉北ボーイズで藤浪を指導した投手コーチは、それ以前に前阪神の鶴、マエケンを教えていた。さらに筒香と森は、ともに堺中央ボーイズの出身。指導者が、何人ものいい選手を見てきていることも、プロ野球選手を続々と排出することと無関係ではなさそう。

 下埜監督は「教えるのは基本的なことばかりですよ。野球を楽しむことと、基本の反復。そこから選手が高校で力を付けてくれる」と話すが、高校生と違い、中学生においては技術より、野球の基本的な部分こそ重要なのだろう。つまり「土地柄」イコール「プロ野球選手が生まれやすい環境」ということだろう。

 下埜監督によれば「今は、サッカーとかテニスとかに変わってきている」と、野球人口が減りつつあるようだ。それでも、これほどの環境にある大阪南部は、今後も有力なプロ野球選手を輩出しそうだ。

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