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【石井一久の視点】巨人・菅野 単純な配球でも打ち取れる完成度の高さ

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セ・リーグ 巨人3―0阪神(4月6日 東京D)
 3―0とリードを広げた直後の6回の巨人・菅野の投球は見事だった。

 クリーンアップに対し、完璧な投球で2三振を奪って3者凡退。一流の投手というのはギアを上げたい時にしっかり上げられる。今季の菅野は球威を増した直球に加え、もう一つ軸がある。右打者には外角のスライダー、左打者には内角のカットボール。これだけ軸がしっかりしていると、オーソドックスな配球で十分に打ち取れる。よく「エサをまく」というが、今季の菅野はそれが必要ない。奇をてらった配球は逆に落とし穴になる。それぐらい完成度が高い。


 僕の個人的な意見は、8回で代わっても良かったと思う。投手にとって完投、完封は大事だが、開幕から中5日で投げており、できるだけ肉体的な負担を軽くしてあげた方がいい。9回に152キロを計測したが、最後にエンジンを噴かす、その小さな積み重ねが疲労の蓄積につながる。巨人が優勝するには、菅野がシーズンを通して絶対的エースであることが条件。ときには過保護なぐらいの気配りも必要だろう。

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