↑客席にいた芸人のさかとも(左)をステージに上げ、坂本の物まねをさせた阿部
↑坂本とシーターの比較表
巨人・阿部慎之助捕手(37)が18日、坂本に“ジーター化のススメ”を説いた。この日は長野・松本市内でトークショー。主将2年目を終えた背番号6を「周りが見えるようになった」と評価しつつ、「思っていることを、もっとチーム内に発信したほうがいい。そうすればチームはもっと強くなる」と公開エールを送った。ヤンキースの主将としてチームを引っ張ったD・ジーター氏を例に出し、カリスマ性のあるリーダーになることを期待した。
阿部の言葉には、徐々に熱がこもっていった。来年で主将3年目となる坂本の話題になると、爆笑の連続だったトークショー会場も、急に神妙な雰囲気に包まれた。「勇人はキャプテンなんだから、気にせずどんどんチーム内に発信していけばいい。みんなが同じ方向を向けば、チームはもっと強くなる」。ナインが結束するためには、背番号6がもっと積極的に発言することが重要と強調した。
自身も07年から8年間、リーダーを務めた。若くして主将を任される苦悩が分かるからこそ、手を差し伸べた。「周りがよく見えるようになったし、集中力も切らさない」と成長を認める一方、「俺は、由伸さんとかに『ミーティングで、こういうことを言いたいんですけど…』とお伺いを立てていた。勝たなくちゃいけない使命があるチームの主将。グアムで会えるし、そういうのは伝えるつもり」と続けた。1月のグアム自主トレは別々で行うが、機会を見つけて、リーダー論を直接伝授する考えだ。
たどり着けなかった領域を、坂本に託したい気持ちもある。「(理想の主将は)ジーターかな。マウンドに集まった時とか、トーレ(監督)と肩組んだりしてね。お国柄もあるだろうし、なかなかできないけど、それくらい親密な信頼関係なんだと思った」。グラウンドを支配する元ヤ軍主将のカリスマ性はテレビ画面越しでもまぶしかったという。95年にメジャーデビューし、20年間ショート一筋で右の強打者と坂本との共通点も多く、ジーター氏のようにナインとベンチをつなぐ存在であってほしいと願った。
チームが強くあるためには当然、阿部の活躍も欠かせない。昨オフは、体のキレや故障予防のために軽量化を目指したが、今オフは方針転換する。「今まで以上に、食べる大切さを実感した。絞りすぎると、打球の勢いが全然違う」。激しくトレーニングしつつ、減った分はしっかり食べて補う。常に体重98キロ前後をキープすることが、総合的にはベストと判断し、現在もその数字を保っている。
グアムには、新たに弟子入りした小林もいる。「俺の方が必死でやる。『阿部さんでも、こんなに練習するんだ』『もっとやらなくちゃ』と感じてほしいしね」。一歩引いた立場になっても、大黒柱であることは代わらない。後輩たちへ伝えるべきことは、まだまだたくさんある。(尾形 圭亮)
◆デレク・ジーター 92年ドラフト1巡目(全体6位)指名でヤンキース入り。95年にメジャー昇格し、96年に新人王。03年にヤ軍の11代目キャプテンに就任し、常勝軍団のリーダーとしてチームをけん引した。自らを犠牲にしても勝利を最優先に戦うプレースタイル、紳士的な性格などから、米球界のカリスマ的存在として絶大な人気を誇った。14年限りで現役引退。通算3465安打はメジャー歴代6位で、今月背番号「2」がヤ軍の永久欠番になることが発表された。
↑坂本とシーターの比較表
巨人・阿部慎之助捕手(37)が18日、坂本に“ジーター化のススメ”を説いた。この日は長野・松本市内でトークショー。主将2年目を終えた背番号6を「周りが見えるようになった」と評価しつつ、「思っていることを、もっとチーム内に発信したほうがいい。そうすればチームはもっと強くなる」と公開エールを送った。ヤンキースの主将としてチームを引っ張ったD・ジーター氏を例に出し、カリスマ性のあるリーダーになることを期待した。
阿部の言葉には、徐々に熱がこもっていった。来年で主将3年目となる坂本の話題になると、爆笑の連続だったトークショー会場も、急に神妙な雰囲気に包まれた。「勇人はキャプテンなんだから、気にせずどんどんチーム内に発信していけばいい。みんなが同じ方向を向けば、チームはもっと強くなる」。ナインが結束するためには、背番号6がもっと積極的に発言することが重要と強調した。
自身も07年から8年間、リーダーを務めた。若くして主将を任される苦悩が分かるからこそ、手を差し伸べた。「周りがよく見えるようになったし、集中力も切らさない」と成長を認める一方、「俺は、由伸さんとかに『ミーティングで、こういうことを言いたいんですけど…』とお伺いを立てていた。勝たなくちゃいけない使命があるチームの主将。グアムで会えるし、そういうのは伝えるつもり」と続けた。1月のグアム自主トレは別々で行うが、機会を見つけて、リーダー論を直接伝授する考えだ。
たどり着けなかった領域を、坂本に託したい気持ちもある。「(理想の主将は)ジーターかな。マウンドに集まった時とか、トーレ(監督)と肩組んだりしてね。お国柄もあるだろうし、なかなかできないけど、それくらい親密な信頼関係なんだと思った」。グラウンドを支配する元ヤ軍主将のカリスマ性はテレビ画面越しでもまぶしかったという。95年にメジャーデビューし、20年間ショート一筋で右の強打者と坂本との共通点も多く、ジーター氏のようにナインとベンチをつなぐ存在であってほしいと願った。
チームが強くあるためには当然、阿部の活躍も欠かせない。昨オフは、体のキレや故障予防のために軽量化を目指したが、今オフは方針転換する。「今まで以上に、食べる大切さを実感した。絞りすぎると、打球の勢いが全然違う」。激しくトレーニングしつつ、減った分はしっかり食べて補う。常に体重98キロ前後をキープすることが、総合的にはベストと判断し、現在もその数字を保っている。
グアムには、新たに弟子入りした小林もいる。「俺の方が必死でやる。『阿部さんでも、こんなに練習するんだ』『もっとやらなくちゃ』と感じてほしいしね」。一歩引いた立場になっても、大黒柱であることは代わらない。後輩たちへ伝えるべきことは、まだまだたくさんある。(尾形 圭亮)
◆デレク・ジーター 92年ドラフト1巡目(全体6位)指名でヤンキース入り。95年にメジャー昇格し、96年に新人王。03年にヤ軍の11代目キャプテンに就任し、常勝軍団のリーダーとしてチームをけん引した。自らを犠牲にしても勝利を最優先に戦うプレースタイル、紳士的な性格などから、米球界のカリスマ的存在として絶大な人気を誇った。14年限りで現役引退。通算3465安打はメジャー歴代6位で、今月背番号「2」がヤ軍の永久欠番になることが発表された。