Quantcast
Channel: Mr.NPB&MLB&NEWS
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2517

発売と同時に重版!広島・新井の小3時代の恩師が立案の絵本「新井貴浩物語」

$
0
0
イメージ 1

↑広島・新井貴浩

 空前絶後のカープブームに乗り、予想を超える反響を呼んでいる。11月25日付のスポーツ報知紙面でも紹介した絵本「新井貴浩物語 がむしゃらに前へ」(定価1300円+税)に予約注文が殺到し、インターネットサイトのアマゾンでは10日の発売と同時に品切れとなった。

 早くも、中古市場には3倍近くの値段をつける転売者まで出現。都内の大手書店は、あっという間に在庫がなくなり、発売から2日で早くも30冊の追加注文を出した。

 想像以上の売れ行きに、広島に拠点を置く出版元の南々社も早急な対応を進めた。「初版が6000部でしたが、発売と同時に重版を5000部かけました」とうれしい悲鳴。2万部に届けばベストセラーと言われる児童書としては、破竹の勢いと言えるだろう。

 この作品は、新井の小学3年時代の担任教諭だった佛圓(ぶつえん)弘修氏が企画立案に携わった。何事にも実直で、全力を注ぐ新井少年のエピソードが描かれている。心温まる内容に仕上がっているが、恩師には一番に読んで欲しい読者がいた。

 「とにかく新井君を励ましたかったんです。教師にとって、教え子は我が子同然。確かに不器用で不格好な選手だけど、昔から何事にも一生懸命な子供でした。ヤジやブーイング、本当に逆境に次ぐ逆境の連続でつらい思いをした新井選手を応援するのは自分しかいない。それぐらいの思いをずっと抱いていました。どうやったら新井君を元気づけられるか。そればかり考えていました」

 熱い思いはもちろん教え子にも届いている。

 「佛圓先生は本当に熱心な方ですごく印象に残っているし、今でもずっと連絡を取らせてもらっている。正直、自分がどんな小学生だったかと言われると難しい。客観的に分からないから。だからこそ、先生にすべてお任せしました」

 新井自身にとっても、少年時代の原点に戻る上で、何よりの“教材”となるに違いない。

 佛圓氏は今年3月に、広島市の教育委員会を退職した。4月からは広島都市学園大教育学部の教員に就任。未来の保育士や教師の養成に全力を注いでいる。新井に限らず、教え子の一人一人と真摯(しんし)に向き合ってきた姿勢は、今も変わらない。

 「私は現在、子供を育てる仕事を目指す若い人たちと触れ合っています。担任と教え子というのは一生もので、いつまでもかかわり続ける。本当に一期一会なんです。子供にも読んで欲しい作品ですけど、教育に携わる方、子供を持った親の方に読んでもらって、何かを感じとって頂けたらうれしいですね」

 阪神から肩をたたかれながらも、カープ復帰2年目で達成した通算2000安打。盟友の黒田ら仲間たちとつかんだ25年ぶりのリーグ制覇。そして、セ・リーグ史上最年長となる39歳でのMVP。見事に復活を遂げた新井貴浩物語の根底に、恩師との絆があった。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2517

Trending Articles