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女性巨人担当が初めてのGキャンプ取材で感じた衝撃

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↑地獄の巨人秋季キャンプ

 ひんやりとした風が吹く東京を出発し、11月の平均気温が23度の宮崎へ。巨人の秋季キャンプへ取材に訪れた。初めての宮崎、初めてのキャンプ。行きのチーム便に乗って移動する時は、ドキドキと緊張で、本当に吐きそうだった。選手との距離が近い。話を聞く時間は短い。敷地が広すぎて覚えられない。一人では初めての運転。そして、原稿の締め切りはいつも危ない。何度も帰京したくなった。

 昔から野球が大好きで、高校時は野球部のマネジャーを経験した。大学時代は観戦がメインになり、昨年開催されたプレミア12も台湾まで見に行った。出身が関西なので、春夏は毎日、甲子園。ただの野球好きが報知新聞社に入社し、研修を経て野球担当へ。野球を見るという趣味が、仕事に変わった。

 今までは「なんかこの選手、投げ方がかっこいいな」「本塁打めっちゃ打つな」という気持ちだけだった。曲がりなりに私も“プロ”になり、その原因を突き詰めなければいけなくなった。「なぜ足が速い」「なぜこんなに打てる」。秋季キャンプに来て少しだけ分かった。それは、想像を絶するような練習量をこなしていたからだった。

 「地獄」と呼ばれる、今回の巨人秋季キャンプ。なぜ地獄か。練習量が多いと言われても、ピンとこなかった。多くて5時間かなと。実際は朝8時頃から練習をスタートし、終わるのは午後6時半。ただ長いだけじゃない。バットを振る回数や、最新機器で計測する30メートル走など、内容が濃密だった。球場から出る選手の顔は、日に日にやつれていった。ここまでするのかと、衝撃を受けた。

 プロ1年目の与那原投手に、プロと学生野球の違いを聞いた。答えはやはり、「練習量」だった。「こんなに練習したことはないし、1日が長い。人生の中で一番長い」。でも―。「野球が好きだから、どんな苦しい練習にも耐えられる」。そう笑顔で続けた。大好きなことが仕事になるということは、これ以上ない幸せなことだと、気づかせてもらった。

 キャンプを取材して、1週間あまり。やっと一日の流れに慣れ、選手とも雑談ができるようになった。取材した選手たちは、来季どんな活躍を見せてくれるのか。野球を見る楽しみも、また増えた。気がつけば、最初は驚くほど長く感じていた練習時間だって、あっという間に過ぎるようになっていた。あれだけ帰りたいと思っていたのに、今では宮崎を離れるのが寂しい。変わっていないのは、私の原稿が今でも締め切りギリギリ…ということだけ。一日も早く“1軍選手”になれるように、選手に負けずに頑張りたい。(記者コラム・玉寄 穂波)

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